俺様編集者に翻弄されています!
この賭けは、悠里の小説家の命がかかっていた。出版社から捨てられるか、それともまだ小説家として受け入れてくれるのか―――。
「この話しを連載していくには、氷室さんの力が必要なんです。氷室さん以外の担当がつくならこの話、連載してもらわなくていいです」
「うーん、そう言われても……」
北村は真っ直ぐな悠里の視線に狼狽するように頭を掻いた。
「じゃあ、これ……違う出版社に持っていきます」
「え……!」
慌てる北村の姿に悠里は少し優越を感じた。駆け引きを持ち出すような真似をして卑怯だと思う。それこそ自分のもっとも嫌うエミリーと同じだった。
(それでも、私は氷室さんを取り戻したい……)
我ながら自分自身に呆れる。
けれど、一生に一度だけでも好きになった人に対して必死になって、我が儘になったとしても、きっと誰か許してくれる。
そう言い聞かせて、悠里は北村の言葉を待った。
「……そっか、ユーリ先生は作家の前に、女性でしたね」
「え……?」
悠里は北村の理解できない言葉に意表を突かれて目が点になった。
「なぁんだ、やっぱりそういうことだったんですね。あはは、氷室もああ見えてメンタル弱いやつですから、ユーリ先生に執着する度に昔を思い出してたのかもしれない」
―――昔のこと。
「この話しを連載していくには、氷室さんの力が必要なんです。氷室さん以外の担当がつくならこの話、連載してもらわなくていいです」
「うーん、そう言われても……」
北村は真っ直ぐな悠里の視線に狼狽するように頭を掻いた。
「じゃあ、これ……違う出版社に持っていきます」
「え……!」
慌てる北村の姿に悠里は少し優越を感じた。駆け引きを持ち出すような真似をして卑怯だと思う。それこそ自分のもっとも嫌うエミリーと同じだった。
(それでも、私は氷室さんを取り戻したい……)
我ながら自分自身に呆れる。
けれど、一生に一度だけでも好きになった人に対して必死になって、我が儘になったとしても、きっと誰か許してくれる。
そう言い聞かせて、悠里は北村の言葉を待った。
「……そっか、ユーリ先生は作家の前に、女性でしたね」
「え……?」
悠里は北村の理解できない言葉に意表を突かれて目が点になった。
「なぁんだ、やっぱりそういうことだったんですね。あはは、氷室もああ見えてメンタル弱いやつですから、ユーリ先生に執着する度に昔を思い出してたのかもしれない」
―――昔のこと。