俺様編集者に翻弄されています!
第三章 女子力

Chapter1..

 ―――翌日の早朝、満員電車に揺られながら悠里は妄想を掻き立てる余裕もなく、眼鏡をあげて眠たい目をこすりながら大海出版へ向かっていた。


(結局一睡もできなかった……)


 長編小説のプロットをあんな短時間でよく書き上げたな、と思いつつもよく見ると粗が目立つプロットだった。けれども未完成を氷室に持っていくよりはまだマシだと思い、夜が明けてチュンチュン雀の鳴く声とともにプリントアウトしてまとめたのだった。


 (自分にできることは全てやった……それにしても、社内でまだバタついてるからって原稿持って来いなんて……オレ様もいいとこだよね)
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