俺様編集者に翻弄されています!
「おい」


「……は、はい!?」


 突如、低い声で声をかけられて悠里は、はっと我に返ると、反射的に背筋を伸ばした。


「これ、全然だめ」


「……え?」


 一瞬、何のことについて言われているのかわからなかった。


 けれど、氷室がため息をつきながらプロットの束を机にバサリと置くと、ようやくその言葉の意味を理解した。


「プロット……ダメ、でした?」


 悠里は氷室の顔色を窺うように、恐る恐る顔を上げた。氷室は腕を組んで鼻を鳴らすと、トントンと原稿を指さしながら言った。



「これじゃ手の施しようがない、全部最初からやり直した方が賢明だな」


「えっ!?」


 氷室は冷たくプロットを見下げると、びりびりに破いてゴミ箱に捨てた。


< 50 / 340 >

この作品をシェア

pagetop