俺様編集者に翻弄されています!
 六本木からここへの移動中、氷室は電車の中で洋書を読んだり、窓の外をぼーっと眺めたりしていた。興味半分にどんな本を読んでいるのか尋ねると、聞いたこともない名前の外人作家で全く会話が弾まなかった。

 氷室はもともと普段は無口な人なのかもしれない。かと思えば、柔らかな笑顔を見せたりもする。そんな氷室に悠里はわけがわからなくなっていた。

 
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