俺様編集者に翻弄されています!

Chapter2

 氷室にどこへ行くのかと尋ねても、“いいからついてこい”の一点張りで会話らしい会話もなく、悠里は仕方なしに黙ってついていくことにした。

 周りを見ると、カップルが手を繋いだり肩を組んだりして歩いている。そんな中、自分はひたすら氷室の背中を追いかけている。

(周りの人、私の事絶対変だって思ってるよね……)

 つい自意識過剰な考えが浮かんでしまい、悠里はかき消すように首を振った。

 電車を乗り継ぎそして、辿りついたのは都心部では有名な映画館だった。




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