もしも…  《TABOO》
もしも…
「もういい、分かった」

私は静かにケータイを切った。


一人、乱暴な手つきでワインを開ける。

グイッと一気にあおると、体の中を熱が駆け巡っていく。

「バカ……」

しんみりと自己憐憫に浸ろうとした途端――


バリバリバリ! ガガガガガ!


隣の部屋から物凄い音がした。


何よぉ もうっ!


アルコールで気が大きくなっていた私は、迷わず隣の部屋のドアを叩いた。


ドンドンドン!


「ちょっと、うるさいじゃないのっ!」


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