【完】ヒミツの恋を君と。
「あそこであんたが俺の気持ちを機敏に察知して断ってくれれば、俺は解放されたのに。全体的にどんくさいよな?勘弁しろよ」


「!?!?」




あまりの憤りに言葉が出てこない。

ど、ど、どんくさいって言った!?



そう言えばこいつ、さっきあたしのこと『気持ち悪い』ってサラッと言ったわよね?

さっきはサラッと聞き流してしまってた けれども!



んぁ────っ!!!



さっき一瞬でも、この人意外に優しいんじゃない?って思った自分の男の見る目のなさに泣けてくるわ!





「ちょっと!さっきから黙って聞いてたら………ってどこ行くのよ!!」


「校内巡りに決まってるだろ?お前待ってたら日が暮れる。早くついて来いよ!」


「………え、あ、はい」





文句……言えなかった…。

校内巡りのことを盾にされると何にも言えません。




それに悔しいけどあいつの言う通りにあたしは超方向音痴で、よく迷子になる。

この学校が複雑と言うなら、下手をしたらホントに迷子になって始業式に遅れかねないから…。





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