【完】ヒミツの恋を君と。
2人でこの部屋にいる時だけは、祐樹先輩のことも、美月先輩のことも、何にも考えず、晴だけを心に映せる。




「ところで、お前のお兄さんってどんな人なの?」





やっとの思いで洗濯を干し終わって、部屋の中に入ってきたあたしに、晴がそう聞いてきた。

あたしが、両親と兄の4人家族だってことは世間話の中で伝えてた。





「どんなって……。変わってるよ。すごく」


「へぇ。どんな風に?」





最初は、実の親をよく思ってない晴の前であんまりうちの家族の話はしない方がいいのかなと思ってた。

でも、この間何気なく話したお父さんの笑える失敗談に、晴は楽しそうに耳を傾けてくれた。





それ以来は普通にうちのことを話すようになってる。


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