【完】ヒミツの恋を君と。
「あたしとは正反対の目立ちたがり屋。今は親のドイツ転勤に便乗して、自分はイギリスに留学させてもらってる。この間スカイプしたら『俺はロックを極める』とかバカみたいな事を言ってた」





あたしの冷めた口ぶりを聞いて、晴は噴出してた。





「あたしに『二次元から飛び出して現実を見ろ!』とか偉そうに言うんだけど、お兄ちゃんこそ現実を見ろ!って感じだよ。まったく」


「仲いいんだな」


「今の話のどこをどう聞いたらそうなるの?」





ここまで兄のことけなしてるのに。と、目をむいて反抗したあたしに晴は笑う。



まぁでも、





「あたしが『オタク!』って、同級生のいじめっ子に嫌がらせされてるのを見つけたら、お兄ちゃんは必ずやっつけてくれた…かな」





年下に対してはめっぽう強かったんだよ。そんな風にいうと、晴はまた笑った。



< 296 / 499 >

この作品をシェア

pagetop