【完】ヒミツの恋を君と。
晴、嬉しいよ。


嬉しくて、嫉妬心も嫌悪感も薄れていく。


晴の手を握り返して、顎を上げて、自分から晴の唇を求めた。





「……っ…」





その瞬間、あたしの唇を割って晴の舌が入ってくる。

口の中なぞられて、体がしびれるようにビクッと反応した。


そのあたしの反応に気付いたのか、あたしが逃げない様に晴があたしの手を握る力を強めて、さっきよりもっとキスを深めていく。





息苦しくなるほどのキス。


漏れる息を恥ずかしく思うけど、このキスをやめて欲しいとは思わない。


もっと、もっと、と密かに求める心。




晴の手をギュッと握り返す。



その時、晴の唇があたしの唇から一瞬離れた。





唇の温度が急激に冷めていく。


暗闇の中にほおりこまれたみたいな錯覚に陥って酷く寂しくなった。





「晴?」





求めるようにその名前を呼べば、晴が耳元に近付く気配を感じた。





「桃佳…」





いつもより掠れた声で名前を呼ばれて、背中がぞくっとした。

そして次の瞬間、その耳元に唇が触れる。


ビクッと震えるあたしの体。


晴はそのまま首筋にも唇を這わせて……。




「っ…」




自分のものとは思えない甘い声が漏れる。



晴の唇が、

首筋から、肩。

肩から鎖骨に下りて、胸元に近付いていく。



さすがに、漏れる声が震え始めて…。



晴の手があたしの背中に回って、ブラのホックを外した。


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