【完】ヒミツの恋を君と。
でも、目をギュッとつぶった。

自分勝手だと、汚いと分かってても、どうしても晴が欲しいの。







そう強く思ったその時、目をつぶってても分かるくらいの光を感じて、驚いて目を開けた。


あまりの明るさに、反射的にもう一度目をつぶってしまう。



頭の中が真っ白になっていく。


部屋の電気がついてる…。



状況についていけず、恐る恐る目を開けると、晴が上からあたしの顔を覗き込んでた。


一気に体が冷えていく。



あたしの心の中の汚い考えを覗かれてる気がして、急にどうしようもなく怖くなった。





「…やっ!見ないで!」





浴衣を体に巻きつけて、晴の視線から逃れるように体をくるっと横に向けた。


そのまま目をギュッとつぶって丸くなってると、晴の声が耳に届く。





「……ごめん」





普段の傍若無人な晴からは想像も出来ないような掠れた小さな声。


謝らせたのは、今、晴を拒否するような言葉を言ったあたしなのに、

あたしは晴のその言葉に酷く傷ついて何も言えなくなった。





「…俺、ちょっと頭冷やしてくる」


「…あ……」





呼び止める間もなく、晴は外に出て行ってしまって。


あたしはその場から、動くことが出来なかった。




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