【完】ヒミツの恋を君と。
《とぼけるの下手だね、桃佳ちゃん》
「……」
《君が、晴に教科書を届けに来た時に気付いたんだよね。この子、前に見たことあるなって》
「え、前に?」
思わず、素な声を上げてしまった。
どう思い返しても、祐樹先輩とあたしが初めて会ったのは、その日で…、
《あの日は、桃佳ちゃんは、パソコンルームで、晴と美月が仲良くしてるとこ見ちゃってショック受けてたから覚えてないんじゃない?》
「……なんで…っ!?」
思わず漏れてしまったあたしの本音に、祐樹先輩がクスクス笑ってる。
《桃佳ちゃん、その直後に俺と会ってるんだけど?覚えてないの?》
「…あ…」
もしかして、階段でぶつかった人…?
そう言えば、3年のカラーの上履きを履いていた。
《あんなシーン見せ付けられて、辛かったでしょ?でも、安心して。あの後、晴のこと殴っておいてあげたから。桃佳ちゃんの分もね…》
「…なっ!?」
耐え難い、怒りが湧き上がってくる。
この人は晴をなんだと思ってるんだろう?
こんなに誰かに腹が立ったことなんて生まれて初めてで。
《この間、駅の路地で“警察”って叫んだのも桃佳ちゃんでしょ?》
この人、全部知ってる。
《自分を裏切る男をかばうなんて、桃佳ちゃんけなげだねー》
「裏切る?」
《裏切りみたいなものでしょ?君とあんなに仲良くしといて、結局、晴は美月を選ぶんでしょ?》
頭がくらっとするほど、その言葉に痛めつけられた。
息苦しくてたまらない。
「……」
《君が、晴に教科書を届けに来た時に気付いたんだよね。この子、前に見たことあるなって》
「え、前に?」
思わず、素な声を上げてしまった。
どう思い返しても、祐樹先輩とあたしが初めて会ったのは、その日で…、
《あの日は、桃佳ちゃんは、パソコンルームで、晴と美月が仲良くしてるとこ見ちゃってショック受けてたから覚えてないんじゃない?》
「……なんで…っ!?」
思わず漏れてしまったあたしの本音に、祐樹先輩がクスクス笑ってる。
《桃佳ちゃん、その直後に俺と会ってるんだけど?覚えてないの?》
「…あ…」
もしかして、階段でぶつかった人…?
そう言えば、3年のカラーの上履きを履いていた。
《あんなシーン見せ付けられて、辛かったでしょ?でも、安心して。あの後、晴のこと殴っておいてあげたから。桃佳ちゃんの分もね…》
「…なっ!?」
耐え難い、怒りが湧き上がってくる。
この人は晴をなんだと思ってるんだろう?
こんなに誰かに腹が立ったことなんて生まれて初めてで。
《この間、駅の路地で“警察”って叫んだのも桃佳ちゃんでしょ?》
この人、全部知ってる。
《自分を裏切る男をかばうなんて、桃佳ちゃんけなげだねー》
「裏切る?」
《裏切りみたいなものでしょ?君とあんなに仲良くしといて、結局、晴は美月を選ぶんでしょ?》
頭がくらっとするほど、その言葉に痛めつけられた。
息苦しくてたまらない。