【完】ヒミツの恋を君と。

「自分がどれだけ思い込みの激しい人間だったかってことに今気付いたよ。晴」


「今頃気付いたのかよ」



晴が笑う。



「でもきっと、晴に対しては特別そうなっちゃうんだと思う」



あたしの言葉に、晴は何も言わなかったけど、歩くスピードがほんの少しだけゆっくりになった。







「ねぇ晴？美月先輩のこと好きだった？」



こんなこと聞くべきじゃないのかも知れないけど、ずっと、どうしても聞きたかった。



「ん、付き合ってる頃は俺なりに好きだったよ」


「うん、そっか」


「でも、美月が、祐樹に気持ちが揺れて、２人がそういうことになった時、怒りを感じるよりも、当然の結果だなって思ってしまったんだ」


「……」


「自分の人生にすら、いっぱいいっぱいな俺が、彼女を作るのには無理があるって思った」


「……」