忘れ去られたキオク
なぜか、ドクンと心臓が跳ねた。
これから言われることが何かなんて、知らない。
けど、あたしの中の何かがそれを聞くのを怖がっているような、そんな感覚に陥った。
「...うん」
振り絞るように出した声は、過去のあたしたちの騒ぐ声で書き消されてしまえばよかった...のに。
「シーナは...」
エルネストの耳にはしっかり届いていたみたいだった。
「...う、ん」
「シーナは...嫌な過去を全て忘れてしまっている」