オオカミとお姫様
「…HR始めるぞ。全員教室に戻りなさい」
先公が来ていた。
みんな自分の席に戻る。
俺も。
先公と目が合う。
驚かれる。
普通に戻る。
「起立。礼。おはようございます。着席」
詩音の号令。
学級委員ってこんなこともするのな。
あ、いいこと思いついた。
「えぇーそれではHRを開始する」
「あの」
「なんだ?桜井」
「俺、学校来たの久しぶりなんで何もわかんないんだけど」
「あぁ、そうか。じゃあ誰か桜井の面倒を見てもらおうか。誰かやってくれるか?」
先公が挙手を求めた。
数人の女子の手が挙がった。
その中に詩音の手はない。
「先公。俺、詩音に面倒見てもらうからいいよ」
「『先生』って言いなさい。わかった。…学級委員。桜井の世話係頼んだ」
「はっはい…」
作戦大成功。
女子の視線が冷たく詩音に刺さってるけど、そんなの俺が全部どうにかしてやる。
詩音に笑顔を送った。