オオカミとお姫様
いつも通りの屋上。
風が心地いい。

「…ここ、結構好きかも」

詩音がぽつりと言った。
詩音が好きな場所なら俺ももっと好きになれる。

「詩音、これ」

「ありがとうございます…」

詩音にパンと飲み物を手渡す。

「言っとくけど、授業行かせる気とかないから。聞きたいこといっぱいあるし」

あの人の事とかな。

「…え?」

困ったように俺を見る。
そんなに授業がいいのかよ。

「本気だよ?」

言い終わると同時にチャイムが鳴り響いた。
詩音が慌てて立ち上がる。
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