アンラッキーなあたし
「あの、あなたは素晴らしい方です」

カードを並べたあと、あたしは、さっきとは打って変わって優しい物言いで、中田さんに結果を告げた。

「優しくて、包容力があって、そんなあなたを思ってくれている女性は少なからずいらっしゃいます」

目の前に。

そう言えないもどかしさが苦しかったが、中田さんは興奮し、必死に、誰だろう?と頭をめぐらせている。

「心あたり、ありませんか?その方とはすでに出会っているはずです」

「出会っている?」

「はい。仕事関係で思い当たる節は?」

「仕事?うーん…」

そこまで言っても、中田さんは「ちっとも思い浮かばない」と首をかしげている。

あー。じれったい!呼ばれてとび出てじゃじゃじゃじゃーん!ってベールを脱ぎ捨てたい!

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