アンラッキーなあたし
「ち、千葉さん?」

放置から数分後、あたしは千葉を呼んだ。

「あ“っ!」

「今のは、一体?」

あたしのノミ以下の心臓はまだばくばくしていた。

「紹介用にばらまく」

千葉はぶっきらぼうにそう言った。

「え?今撮った写真を?それはだめです!何の前触れもなく!取り直してください!」

さすがにあれは不味いだろう。もともと不味い顔なのに。けれど千葉は、「うるせぇ。とにかくもう寝かせろ」の一点張りだ。

「でも…」

「お、や、す、み!」

千葉の背中が全力であたしを拒絶している。あたしは、すごすごと寝室に戻り、なんだか生殺しの気分で眠りに落ちた。なぜ女のあたしが生殺しの目にあうのか、ちっとも納得がいかなかった。
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