アンラッキーなあたし
「ね?きれいでしょう?」

「そうですね。素敵…」

あたしのお世辞に気を良くしたのか、アユカは頬を上気させ、いかにこの指輪がすごい物か恍惚と語り始めた。

「この指輪はね、五百万は下らない代物なの。だって、このダイヤの数とエメラルドの大きさだもの。半端ないでしょう?」

なわけない。半端ないのはお前のバカさ加減だ。

ちなみにリングはプラチナ。最近はプラチナの価値また上がってるんだよ。知ってた?」

どーでもいいよ、そんなこと。

「ね、きれいでしょう?欲しいでしょう?」

全然。

いい加減うんざりしたあたしは、瞬に目配せした。この子、相当なおばかさんだねという意味合いを含めて苦笑いし、同意を求めた。

けど、瞬は…

「すげぇ!こんな綺麗な指輪みたことねぇよ!」

同意どころか、この指輪の虜になっていた。
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