アンラッキーなあたし
「男のつっちーにもわかる?この指輪の魅力」

「ああ。わかるよ、わかる。吸い込まれそうに綺麗だ」

おいおいおい…。

一体、どうしてしまったというのだろう?ここへ来てからの瞬は明らかにおかしい。さっきまでの爽やかでジェントルマンでスマートな瞬はどこいったー?

アユカと瞬はバカみたいに、というか、バカ丸出しで指輪を褒めちぎっている。

「この大きさで五百万?安すぎだろ?」

「でしょう?でも、実際はそれ以上の価値があるんですって。もしかしたら、うん千万?ううん。億いっちゃうかも?」

どんだけアバウトなんだ?

「そりゃ、たまげたなぁ」

たまげるのは、あんたら二人の会話だっつーの。あぁ、あほくさ。

あたしは思わずあくびをした。

早くここから出たい。そんでもって、瞬と二人のこれからについて語り合いたい。ルコ先生にも早いところ紹介を済ませたいし。

「ね?さくらちゃん!」

突然話を振られ、あたしは、「あ、はい」と返事をした。

すると、アユカがとんでもない事を言い出した。

「じゃあ、さくらちゃんに譲っちゃう!」

え?何を?

きょとんとするあたしに、アユカが指輪を差し出し、

「しかも、お友達価格で百万円!」

にっこりと笑った。

「はっ?」

開いた口が塞がらないとはこのことである。こいつ、何の話してるの?いつの間にチャン付け?そもそも、アユカと友達になった覚えなどない。

突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込んでよいかわからない。
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