アンラッキーなあたし
「え、っと」

あたしは瞬を見つめた。目の前にいるバカ女から救ってもらうためだ。だがしかし、瞬は、「さくら!やったな!」とあたしの肩を叩くのだった。

「さくら、お前、ラッキーだな。こんないいものを、たった百万で譲ってもらえるなんて?」

な、なんですと?

「アユカ。俺の大切な彼女に本当にありがとう」

瞬がアユカに深々と頭を下げている。

「いいの、いいの。他ならぬ、つっちーの婚約者だもの」

なぜ、婚約者だと知っている?さっき、そんな話しなんかしていないは
ず…。

「ああ、いい婚約指輪が見つかって、よかったよ。アユカ、ありがとうな。俺のさくらのために」

「どういたしまして」

完全に取り残されたあたしは、混乱する頭の中を一つ一つ整理していた。

もしかしたら、ここは宝石屋さんだったのだろうか?仮にそうだとしても、あの指輪は宝石と呼べる代物ではない。五百万どころか五百円でも買わない。なのにあたしは今それを百万で買わされようとしている。

WHY?
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