アンラッキーなあたし
「さあ、この指輪を買ったらジュエリーショップに行こう。指輪と合うチェーンをプレゼントするから」

チェーン?もうめちゃくちゃである。こんなアホらしいことに付き合っていられない。

「な、百万のローンなんてすぐに返せるよ。俺たちの将来への先行投資だと思えば安いものだろ?」


瞬は相変わらずにこにこしていたけれど、それこそ何かに取り付かれたように、目からぎらぎらと怪しげな光を放っていた。瞬は狸どころか瞬は草食動物を狙う獰猛な肉食動物だったのだ。

「な?ここにサインすればいいんだよ」

けど、もう限界だ。

「だー!うるせー!いい加減にしやがれー!」

時が止まった。これまで大人しかったあたしが遠山の金さんのように叫んだものだから、アユカも瞬もぽかんとしている。

「あたし、帰る!」

そう言い放ち、バックを掴み、部屋を出て行こうとしたあたしは、次の瞬間、強い力で後ろに引き倒され、どすんとしりもちをついた。

「な、何するんですか!」

あたしを引き倒したのは、他ならぬ瞬だった。
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