アンラッキーなあたし
「おい、ふざけんなよ」

瞬の声音と顔つきが変わっていた。先ほどの爽やかさや優しさなど微塵も感じされない、おそろしい形相にドスの利いた声の瞬に、あたしは息を呑んだ。

「てめぇがアユカを突き飛ばしたせいでダイヤが割れたんだよ」

いやいやいや!割れた時点でダイヤじゃないでしょう!と、突っ込む間もなく、

「キャー!五百万円のダイヤがぁ」

アユカが白々しく叫んだ。

「どう責任取るんだよ!ああ?弁償するしかねぇだろ?」

すっかり豹変した瞬にあたしはたじたじだった。瞬は、腰の抜けたあたしの首根っこを掴むと無理やり立たせ、

「大人しく百万、いや、百五十万払え!」

とすごんだ。

「百五十万?」

「そうだ。アユカの治療代もだ」

瞬が言った途端、アユカが「ああ」と腕をさすり始めた。

「なんか、折れてるっぽい」

うそこけー!

「嘘ですよ!そんなはずない!」

必死に訴えるが、アユカは「痛い、アユカいたーい!」とわめき散らす。

このビッチ!

ああ、こいつらとんでもない詐欺師だ。でも、ここで弱気になったらやつらの思う壺だ。あたしは負けじと二人を睨んだ。
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