アンラッキーなあたし
この日からあたしたちの奇妙な同居生活がスタートした。

家主の千葉。居候のあたし。千葉の元カノで、彼氏から逃亡中の弥生。占い師のあたしも予測できなかった事態だ。

約束通りあたしと弥生は一つの部屋とベッドをシェアする。あたしと弥生の初夜である。

ベッドの中で、あたしは弥生に背中を向けた。弥生もベッドに潜り込み、あたしに背中を向ける。弥生から石鹸とは別に、いい香りが漂う。これはきっと美人だけが放つフェロモンだろう。あたしからは絶対にしない香り…。千葉は毎日この香りに酔いしれていたのかな?なんて考えると、また胸がしくしくした。

あたし、どうしちゃったんだろう?もしかして・・・。

乳がん?マンモグラフィー検査を受けようか真剣に悩んでいると、

「ねぇ、おばさん?」

弥生に呼ばれた。

「さくらですけど?」

「さくらおばさん!」

まじ、むかつく。とんだあたしは眠り姫だ。シカトを決め込んだ。

「さくらさん?」

「…何ですかね?」

おばさんが抜けたので返事をしてみた。

「あのさ、翔太は渡さないから…。」

「えっ?」

驚いて弥生の方を振り向くと、弥生はベッドに座り、あたしを見下ろしていた。
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