アンラッキーなあたし
もう、いい。こえで断られたらシンディーとは別れよう。そもそも始まったという感覚も薄いのだが、仕方ない。別の相手を探そう。

出会い系で…。

そう思った矢先、携帯が鳴った。あたしは投げ捨てた携帯を拾い上げると、受信ボックスを開いた。


FROM
シンディー

わかりました。では10日後の午後5時ぴったりに、駅西口のタクシー乗り場前で。
裏切らないで下さい。


な、なんじゃ、こりゃ?

しばし、画面に釘付けになってしまった。

裏切らないでって…。どんだけ人間不信なのだ?でも、まぁ、よい。約束の4日前だけど、ギリギリ間に合う。事情を説明してアタシの用事にも付き合ってもらおう。

つっこみどころは満載だけれど、とにかく今はルコ先生との約束第一だと自分に言い聞かせ、ぐっとこらえた。

ついに、、あたしは、シンディーと会う約束をこぎつけた。

顔も知らないアタシの彼氏・王子様…。

喜ぶべきことなのだろうが、なぜは心はちっとも弾まない。憂鬱ですらあった。
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