アンラッキーなあたし
「冷たいです!助けてあげようとは思わないんですか?」

そう叫んだあたしをルコ先生はジロリと睨んだ。

「一時的に助けてあげる事はできても一生面倒を見てあげる事はできないんだよ。子供じゃないんだ。頼れるのは自分だけなんだよ」

わかってる。でも、一時的でもいいから助けて欲しいのが本音だ。

「じゃあせめてあの約束だけは破棄してもらえませんか?」

「あの約束?」

「はい、彼氏を連れてくるって約束。明後日までに間に合いそうにありません…。落ち着くまで延期でもいいんです」

擦り寄るあたしに、

「そうだねぇ…」

と、ルコ先生が天井を仰いでいる。

おっ?もしかして、いける?

もう一息と言わんばかりに、あたしはまばたきもせず目から涙を絞り出そうとした。

「よし!」

「ルコ先生!ありがとうございます!」

あたしはルコ先生にの手にすがりついた。そして、密かにニヤリと笑った。
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