アンラッキーなあたし
「約束が守れないなら今すぐ荷物まとめて出て行ってくれ!」

「えっ…」

耳の穴をかっぽじって、もう一度聞き返す。

ワンス モア プリーズ?

「出てけって言うのが聞こえなかったかい?」

にっこりと笑って、ルコ先生は言った。

「そ、そんなぁ」

すがりつくあたしを、ええいとルコ先生は振り払い、弾き飛ばされたあたしは、あーれーと床に転がった。

庄屋どん、それだけはご勘弁を状態である。

すっかりあきれたとばかりに、ルコ先生はそっぽを向きタバコに火をつけた。

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