アンラッキーなあたし
「考えさせてください」
あたしの返事を聞き、千葉が固まっている。
「考えさせて下さい。って、一度言ってみたかったんです。ああ、夢がかないました」
あたしは自分ではいた台詞にうっとりとしていた。
「なんだそれ?人が真面目に言ってんのに!じゃあ今の告白は取り消し!」
千葉は立ち上がると、くるりと背を向けた。
「アア゛ー!待ってー!」
慌てて千葉を引き止めようとしたあたしは、つい、千葉の片足ともいえる松葉杖にすがってしまった。
「うわ!」
片足を奪われた千葉がバランスを崩す。
「危ない!」
助けようと千葉の上半身を支えると、予想以上に重く、あたしたちはそのままベッドの上に倒れてしまった。