アンラッキーなあたし
「いってぇ」

「ご、ごめん!」

こともあろうか、あたしはけが人の千葉の上に倒れていた。

すると、千葉がそのままの体勢であたしの体に腕を回した。

「ちょ、ちょっと。重いでしょう?どきますから、放してくださいよ」

けれど、千葉は放さない。額にはうっすらと背が浮かんでいる。相当痛いのだろう。

「もう一度聞く。こんどはおふざけ無しだ。俺と付き合って欲しい」

痛みをこらえて告白してくれた千葉。もはや、断る理由なんかあるはずがなかった。

「はい、喜んで…」

あたしの答えを聞いて、千葉は笑った。そして、

「どけー」

と、突き飛ばされた。

「ああ、いてぇ。それに、重かった。お前、少し痩せた方がいいぞ」

本棚に後頭部を強打したあたしは、白目を向きながら、頑張りますと答えた。
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