アンラッキーなあたし
「師匠…、いや、ルコ先生。でもね、なんだかんだ言ってこの館が流行り出したのだってあたしのおかげじゃないですか。あたしが若いお客さんをたくさん集めたからこうして…」

けれられすねは少し腫れていた。明日には立派な青あざになるだろう。

確かに、元気はいいんだよな、このバアサン。

「なぁにが、あたしのおかじゃないですか、だ!あんたがここで働けるのは私が拾ってやったからだろ?生意気な口きくんじゃないよ!」

ルコ先生は鼻息荒くまくし立てると、じろりとあたしを睨んだ。

それを言われるとあたしは何も言い返せなくなってしまう。あたしはルコ先生に拾われた。ルコ先生がいなければ今のあたしはない。だから、どんな扱いを受けたって、ルコ先生を嫌いになるなんてできないのだ。
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