アンラッキーなあたし
「な、なんですか?」
「まぁ、いいから任せておきなよ。あんたの顔はさ、暗すぎるんだよ。辛気臭い。だからね、こうやって、ぱーっと明るくするんだ」
まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように、先生はあたしの顔に化粧をほどこした。黄色や、黄緑の薄いクリームを何層も重ねると、コンプレックスだったあざがどんどん消えていく。
「すごい…」
「こう見えても、昔は美容師を志した時期があってね」
ルコ先生の手は、魔法みたいにくるくると動き、そのたびにあたしはどんどん変わっていった。
「ほら、できた」
鏡の中には、あたしの知らない誰かが写っていた。
「これは…」
驚くあたしに、ルコ先生は満足そうに笑った。
「あんたはこの顔で店に出るんだ。占い師…えーっと…」
「さくらです」
「そう。今日は、占い師さくらの誕生日だ」
仕上げにルコ先生が真っ赤なベールをかぶせてくれた。この瞬間、あたしの中で何かがぱちんとはじけた。
「まぁ、いいから任せておきなよ。あんたの顔はさ、暗すぎるんだよ。辛気臭い。だからね、こうやって、ぱーっと明るくするんだ」
まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように、先生はあたしの顔に化粧をほどこした。黄色や、黄緑の薄いクリームを何層も重ねると、コンプレックスだったあざがどんどん消えていく。
「すごい…」
「こう見えても、昔は美容師を志した時期があってね」
ルコ先生の手は、魔法みたいにくるくると動き、そのたびにあたしはどんどん変わっていった。
「ほら、できた」
鏡の中には、あたしの知らない誰かが写っていた。
「これは…」
驚くあたしに、ルコ先生は満足そうに笑った。
「あんたはこの顔で店に出るんだ。占い師…えーっと…」
「さくらです」
「そう。今日は、占い師さくらの誕生日だ」
仕上げにルコ先生が真っ赤なベールをかぶせてくれた。この瞬間、あたしの中で何かがぱちんとはじけた。