アンラッキーなあたし
「うるさいねぇ。あんたって、ちっとも成長しないね。いかがなもんかと思うよ」

ルコ先生はあたしの手を振り払うと、ふんと鼻を鳴らした。

「何ですか、急に?」

「確かにさ、あんたはこの三年間でずいぶん頑張ったよ。お客だって増えた
し」

珍しく褒められ、あたしはちょっぴり期待してしまった。もしかしたら、少しくらい出勤日数を増やしてくれるかもしれないと。

けど…。

「でもさ、結局、あんた自身は少しも変わらないね。むしろ悪くなる一方」

はぁ?こんなに頑張っているのに?

納得のいかないあたしは口を尖らせ反論した。

「そりゃないでしょう?あたしは勉強だってたくさんしたし、頑張りましたよ。地元のフリーペーパーに取材だって受けたし、テレビにだって…」

「だから、そういうことを言ってるんじゃないの!あのね、初めてあんたがここに来た日のこと覚えてる?世の中の不幸を全部自分一人で背負ってますみたいな顔してさ。あのときから全然成長していないって言ってるの。わかる?」

全然わかんない。

黙り込んだあたしに、先生は大きなため息をついた。
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