アンラッキーなあたし
ビニールバックに風呂道具を準備し、いざ出かけようとして、百万円の存在を思い出した。
肌身離さず持ち歩きたいところだが、さすがに湯船へは連れてはゆけぬ。
その時、守り神として購入した5本爪の龍の置物と目が合った。あたしはお金を銀行の封筒に入れると、龍の爪の部分に握らせた。
木彫りの龍は「がってん、任せとけ」と今にも言い出しそうなほど凄んだ険しい顔つきをしていて、あたしを安堵させた。
そもそも、ここは泥棒すら見向きもしないようなボロアパートなのだが、用心するに越したことはない。
「頼みますわよ」
龍の頭をそっと撫で、高校時代から愛用している小豆色のジャージに着替えると、あたしは銭湯へ向った。
肌身離さず持ち歩きたいところだが、さすがに湯船へは連れてはゆけぬ。
その時、守り神として購入した5本爪の龍の置物と目が合った。あたしはお金を銀行の封筒に入れると、龍の爪の部分に握らせた。
木彫りの龍は「がってん、任せとけ」と今にも言い出しそうなほど凄んだ険しい顔つきをしていて、あたしを安堵させた。
そもそも、ここは泥棒すら見向きもしないようなボロアパートなのだが、用心するに越したことはない。
「頼みますわよ」
龍の頭をそっと撫で、高校時代から愛用している小豆色のジャージに着替えると、あたしは銭湯へ向った。