アンラッキーなあたし
あたしがやってきたのは、バックに富士の絵が描いてあるようなTHE昔ながらの銭湯だ。

夢中になって垢すりをし、散々長湯をしたら、さすがにくらくらとのぼせた。

お湯に浸かりながら、あたしはこれからのことを想像しては、うししと笑い、他の客を遠ざけていた。


仕上げにコーヒー牛乳を一気飲みし、新たな出発を祝う御膳と称し、コンビニでカルビ弁当を買い、気持ちよくなって帰路につくころにはとっぷりと日が暮れていた。



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