アンラッキーなあたし
アパートの鍵をまわし、ドアを開くと、なんとも爽やかな風があたしを出迎えてくれた。

自然のクーラーだ。

あたしはますますテンションがあがり、狭い玄関から狭い部屋へとなだれ込む。

おでこをなでる夜風が気持ちよかった。

さあ、夜風に当たって弁当でも…。

そう思い、ようやくはっとする。

なぜ、夜風が部屋の中へ?

あたしは蛍光灯からぶら下った紐を手探りで引き寄せ、電気をつけた。

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