LOOOOP
俺と篠原は、ただの同期。
デスクが隣ということもあり、真っ先に名前を覚えた。
当初は、その見た目から"真面目でお固い女"と決め付けていたけれど。
「結城ぃー。まだ?早くしないと店全部閉まっちゃうって」
「んー」
「出来たの?企画書。終わらないなら何か手伝おっか?」
「んー」
「いや、『んー』じゃなくって!!!今日はどうしても付き合って欲しいんだってば!!!」
「…ぶっ」
案外、可愛いヤツ。
それに気が付いたのも、ずっと前。
「なっ…、結城!!!何笑ってんのよ!!!何がそんなに可笑しいわけ⁈」
ちょっとしたことにでもすぐに噛み付いてくる篠原が、可愛いくて。愛おしくなって。
好きだって気が付いたのは、ちょうど1年くらい前。
未だに何も動き出せてないのはきっと、アイツの存在のせい。