《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「ハワイにでもいるの?」
そ知らぬ振りで聞いてみた。
「は、馬鹿だなー。ハワイアンバーだよ」
「また、合コンですか」
合コンかって聞いたら、こいつはなんて返事するんだろ。
三浦の声はいたって冷静だ。
「そうだけど、なに?」
悪びれた様子も全くなかった。
それどころか偉そうな口調で言った。
「明日、来れるだろ」
あれだけムカついていたのに、いざ三浦にそう低い声でさりげなく誘われてみると、やはり体調が優れなくなる。
動悸を感じる。
私の気持ちに反して、ばくばく激しく動きだす心臓。
耳に当てたスマホを握りしめながら、なんて馬鹿な女なんだよと、自分でも呆れていた。ここは、ばしっと言ってやるべき所だ。
三浦の甘い誘惑に踊らされている場合か!
奴は、頼まれて合コンにきて、冴えない女を排除するだけの職人なんだから。奴の言うことなんか、絶対に本気にしちゃだめだ。