《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
三浦くんの口角が上がって不敵な微笑を見せられたあと……
急に三浦くんの唇が私の唇を塞いだ。
スクランブル交差点の真ん中。
川の真ん中にある邪魔な岩をよけて泳ぐ魚みたいに、私達を避けて進む歩行者たち。
まさか、有名な観光スポットであるあのスクランブル交差点で、私がキスなんかしているなんて自分でも驚きだった。
唇を離してから三浦くんが言う。
「言えよ。早くしないと赤になっちゃうって」
顎でしゃくるように信号を示してみせた三浦くん。
更に街中で突然キスされて、心臓が壊れそうになっている私に『ほらな、どうする?』とでもいいたげに眉毛を上げて見せた。
「ば! 馬鹿言わないでよ!ひかれるって!」
なんとか動かそうと三浦くんの手を力の限りにひっぱった。
ピクリともしない。
信号の点滅が始まる。
一体、私にどうしろって言うの!
三浦くんは、向かい合うように立ったまま目標を達成するまでは、絶対に動かないつもりでいるらしい。