《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
レジに並んでいると後ろから三浦がやってきた。

「…1030円になります」
愛想のない高校生風のバイト店員が値段を言った。

長財布の中身を確認する。人が会計してる時に後ろから話しかけてくる三浦。
「そういえば、俺、あんたの昨日の飲み代立て替えてあんだけど」

はっ!そうだった。すっかり、昨日は恵比寿居酒屋三浦事件があり、頭にきすぎてそんなことは、すぐに忘れてしまった。

「わかったわよ。待ってよ」

ったく、闇金の取り立て屋か!

財布から5千円札を取り出しレジで買い物をした後に、買った物が入ったレジ袋を手首に下げ、レジの少し横に避けてから三浦に訊ねた。

「いくら?」

「4千円」

しまったぁ〜。

今の買い物で5千円札をだしたから、きっちり3970円しかない。なんてことだろう。

まさに青天のへきれきだ。
そんなに驚くことはないか。いつもなら、財布に小銭がもう少し入っているのに、こんな時に限って小銭がなくなるなんて。

カード払いの世の中だ。カードならあるのに。試しに聞いてみた。

「カード払いできる?」

「は? できると思うわけ? さっきの買い物をカード払いにしてもらえよ。さもなくば、なんか一個返品しろよ」

「やだよ。そんなの……」
レジにいる愛想のない店員は、私達の話が聞こえたのか露骨に嫌そうな表情を見せた。


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