《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「あのさ、3970円でいい?」

試してみた。値切れるかどうか。

「はあ?なんだって?」
大げさに溜息をつく三浦。
性格が悪い。普通ならいいですよって、明るく言うべき所だ。それを、たかだか30円に目くじらを立てるなんて。

「いいじゃない。30円くらいまけたって」

「なんで? 俺があんたに30円まけないといけないんだよ」

30円でがたがたと、本当にケチ男だ。本当なら奢りだっていいのに。

「くーーーー、わかったわよ。家まで行って取ってくるから、ここで待っててよ」
うるさい男は、自分から折れるってことも知らないらしかった。

悔しいが仕方ない。
ここで30円ばかりが無いからって、嫌味な三浦に借りを作るほど馬鹿な話はない。

お金の貸し借りは、なるべくしないようになと、お父さんに鹿児島を出る時に言われたっけ。

ケチ男のやることだ。
気をつけないと、闇金みたいにいつのまにか莫大な利子をつけかねられない。

今日のうちに返した方が無難だろう。

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