《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「送らせといてお茶も出さないってさ、あんた一体どういう神経?」
彼女は瞬きを数回してから、表情を歪めた。
「あいにくお茶っぱをきらしてまして」
「じゃあ、珈琲とか」
「……」
「紅茶とか、ほうじ茶とか、烏龍茶とかマテ茶とか、飲み物ならなんでもいいよ」
指を折りながら、茶とつく飲み物の名前を、思いつくだけ上げてみた。
「水でも?」
「水かよ! ……いーよ。水でも……で、どこの天然水だよ」
「……」
じっと無言で俺を見つめていた彼女は盛大なため息をついた。それから、しつこい俺に諦めたように言った。
「……はーわかりましたよ。どうぞ」
俺が言い出したらきかないし、ひかない男だと十分に理解してくれたようだ。
お茶とか珈琲、ましてや水が飲みたかったんじゃない。そんなことは、どうでも良かったんだ。
ただ、言えることがある。
俺は最近、神様って本当にいるのかもなって、無宗教派ながらも信じるようになっている。
偶然や運命ってのも実際にあるような気がするんだ。
それに俺は最近ついている。天は確実に俺に味方しているとしか思えない程だ。
これまでも、まあまあ良い人生だった。だが、これからはもっと良くなる気がしている。
ここまで天に味方されているんだ。あとは天から俺に向けて落とされたビッグチャンスと言う名の種を、うまく育てて大輪の花を咲かせるだけだ。