《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「本当は俺に『会いたいから来て……』とかなんとかクサイセリフ言って欲しかったんじゃねーの?」
ドアに手をついて私を囲み、上からやけにニヤついて私を見下ろす。
「ばっ」
こいつ、なんつぅ馬鹿なことを考えたものだ!
両手に持っていた殺虫剤をゴキブリ退治する時みたいに構えた。
「な、なんだよ」
ひるんで後ろへ下がるゴキブリ三浦。
「馬鹿につける薬はないけど、馬鹿退治なら出来るからね! 覚悟しなさい!」
私は三浦に殺虫剤を向けて噴射するべく前進した。
後ずさりする三浦。
「なんだよ……悪かった。ふざけただけだろ? んーーーそうだ! お礼させてくれよ、なあ? 飯食ったか?」
「は?」
「飯。俺、ゴキブリ騒動があって、まだ朝飯も食ってないんだ」
たかがゴキブリのせいで御飯も食べてない男って、どうだろう?
「……」
「どっかにさ、うまい店ないの?このへん」