高のち飛車、ときどき猫
「寒いよぉ!」
「お腹空いたよママぁ!」
だからうるせぇって。鳴くから余計辛く、惨めになるんだ。
オレみたい大人しくしときゃ、いずれ楽になる。
くたばるのは遅いか早いかの違いだけだ。
――それからどの位経ったかは忘れた。
不意に聞き覚えのある音が、壁の向こう側から聴こえてきた。
そう、これはオレ達を乗せてきた、あの車とやらの停止音。
「ねえねえ、もしかして戻ってきてくれたんじゃない?」
オレ達の中で唯一の雌の兄弟も聴こえたらしく、オレに問い掛けてくる。