柔き肌に睦言を
6
「それで髪、伸ばしたの」
「うん」
「あたしに言われたから」
「そう」
「わあ、単純」
私の決死の告白にも動じず、女神は生意気な口をたたく。さっき舌入れたときは震えていたくせに。
私は女神のたわわな胸元に唇を寄せた。白い肌に青い静脈が透ける。左の乳房を右手でグイと持ち上げ、その先端の薄茶色の部分をチュッと吸った。
「ひぁ」
その声がたまらなく可愛くて、私の行為はエスカレートしていく。
「ちょっ、やだ、変な声出ちゃった。あ、だめ、だめ、あたしそこ、弱いの」
私は聞き入れず、弱点を舌で丹念に弄んだ。
「あんっ、あ、はあっ、ん」
なんという甘い声。あの、部室を覗き見た時に聞いた甘い声を、また聞くことができるなんて。
「しのちゃん、てさ、女の人しか、愛せない人?」
乱れた呼吸を整えるように、ゆっくりと女神は問う。
「…愛せないよ、きっと。睦美ちゃんしか、愛せない」
今の私の気持ちの全てだった。
男と体を重ねたことはある。だが愛ゆえだったろうか。それは例えるなら、コンセントがあったから、持っていたプラグを挿してみた。ただそのくらいのことだったような気がする。
「愛、してるの? あたしを? ねえ、気持ちいいよ。だからさ、なんでかなぁって」
「なに」
「しのちゃんがね、男の人にされて気持ちよかったことを、あたしにしてるのかな、って」
そうなのか?
そんなハズは、
「ないよ。それは、ないよ」
「そう?」
「だって私、男にされて気持ちよかったことなんて無い」
「そうなんだ。でも、いいよ、すごく。…ねえ」
「なに」
「女同士ってさ、このあと、どうするの」
「!」
わからない。私の体はこんなに熱いのに、睦美の体も狂おしく熱を帯びているのに、わからない。このあとどうすればいいのか。コンセントが2つ。プラグは、無いのだ。
私は睦美の背に回した左手を下の方へずらした。腰を覆っている布のすぐ下には熱く濡れた秘部があるというのに、そこは永遠に遠いように思われた。
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