隣に座っていいですか?
「郁美さん。足が折れました。動けません」
そりゃもう
情けない声を出し大騒ぎ
しかしながら
どう見ても
折れてる雰囲気には見えませんわ。
リビングの段ボールの山の中、うずくまり倒れ込んでるへタレがひとり。
「どうしたんですか?」
「段ボールでコケました」
片付けろ!
泣く前に片付けろ!
「折れてます。動けません」
声が情けない。
私は田辺さんの靴下を引っ剥がし、足首を観察。腫れてもないし外傷もない。
ちょっと叩いてみると
「ぎゃー」って大声。
うるさい……。
「動かせますか?折れてたら動かせませんよ」
荒く言うと
グズグズしながら少し動かす。
ネンザですね。これは。
「湿布ありますか?それで大丈夫です」
「折れてません?」
「絶対折れてません」
「病院行かなくていいですよね」
「いいです」
「注射とか痛い治療しなくて大丈夫ですよね」
「多分」
「僕、注射苦手なんです」
知るかそんな事!