隣に座っていいですか?
拒否された。
雨音だけが残る店で
ひとり立ちすくむ
拒否されるって悲しいね。
はっきり言われた。
悶々としながら
自分の部屋に歩き布団に入るけど
桜ちゃんの顔が浮かぶ。
熱高いのかな
苦しいのかな
泣いてないかな
ダメだ。
こっちこそダメだよ田辺さん。
もう
大人しく寝てられない。
着替えて鍵をかけ
家を飛び出し隣に走り
今度は私が田辺さんのように、豪邸の扉をドンドン叩きまくる。
氷枕を作っていたのか
袖を上げ扉を開けて
私の姿を発見し目を大きくする。
その表情が
桜ちゃんに似ていた。
「郁美さん」
「入れて下さい」
「いや……でも……」
「入ります」
田辺さんの隙を狙って中に入り
私は話に聞いていた
二階の桜ちゃんの部屋を探す。