隣に座っていいですか?
だけど
お父さんしかいなくて

幼稚園のお友達のように
抱きしめてくれるお母さんがいなくて

引っ越しして環境が変わって

でも
そこで頑張らなきゃいけなくて、ワガママ言っちゃいけなくて、みんなに溶け込まなきゃ自分の居場所がなくて……もう……こんな小さな身体で、一生懸命頑張ってきたんだよ。

ごめんね
気付いてあげれなくて。


ごめんなさい。

私は手を伸ばし
桜ちゃんを抱きしめた。

「もう大丈夫だよ。抱っこしてるから大丈夫」
強く抱きしめ
私も泣きながらそう言うと

桜ちゃんの力がスッと抜け
私の胸で目を閉じてしまった。

田辺さんは驚き
私はどうしていいのかわからず、そっと身体を離そうとするけれど

桜ちゃんは
強い力で私にしがみついている。

離れない。

「おやおや」
そんな口調で田辺さんは笑い、そっと私の身体を引っ張り壁に背中を当てさせる。

私は桜ちゃんを横抱きしながら、壁に背を当て足を伸ばし座り

田辺さんは
そっと毛布を持ち
桜ちゃんにかけてから私の隣に座る。

肩がくっつく。

広い部屋に
三人で集まってる。

何か変なの。
笑ってしまう。
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