わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
「ずっと、あれから見守ってくれてありがとうな」

「いやー、そんな義務みたいなんじゃないっす。あなたがこだわった気持ちもわかったし。見ていても、ほんといい人だったですねー」

澄んだ声で言う。

少年のようなさわやかな声だった。

「じゃ、そろそろ交代しましょかー?」

「ん、交代? 」

「監視役はもう終わりましたよー、終わったら引退 するんでしょ?」

そういえば、そんな話をしたか…

こっちの世界にきた当時、

10歳の少年だったK。

ここに来てしばらく彼は誰とも関わらず…

列に並ぶことさえ拒んで、ひとり隅のほうで泣いていた。

ただ、子供にはよくあること。
突然、親から離れて一人になったから。

でも…

彼の場合は少し違っていた。
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