涙空ー忘れられないー
初めて愛した人
いつの頃からだろう・・・
物心がついた頃には
もう私には親はいなかった・・・
でも私には大切な人がいる
私の全てを受け入れ
私を愛してくれた人・・・
「大橋 照彦」
照彦と出会ったのは2年前・・・
私が10才の頃たった1人の友達の聖愛ーせいあーの
11才離れた兄 星矢ーせいやーの友達だった
出会ってそれ程の月日は流れてはいなかった
私は照彦といるとありのままの
自分でいられた
好きになるのに時間はかからなかった
でも自分の思いも伝えられずにいた時
照彦から「梨音-りおん-が好きだ」と
言われ私たちは付き合う様になった
そして月日は流れ私 渡部 梨音-わたなべりおん-は
12才になり今日は明星付属小学校を
卒業するため照彦に車で向かっている
走る車の中で私は窓の外を見ていると
照彦が話しかけて来た
「梨音・・・どうしたんだ・・・」
「うん・・・何でもないよ」
「そうか・・・」
「うん」
それから程なくして車は止まった
「着いたぞ」
「・・・うん・・・ありがとう」
「ああ・・・後でな」
「うん・・・行ってきます」
車から降りて梨音は憂鬱な気持ちで
教室に向かい窓際の一番後ろの
自分の席に座った
そして窓の外を見ていると
話かけられた