涙空ー忘れられないー


「渡部さん・・・」

私は声をかけられた子の方に向いた

「何・・・」

と冷たく言うとその子は
下を向き泣き出すと
近くで話していた子が来た

「真理ちゃん・・・どうしたの・・・」

聞いているけれど
真理は何も言わずだだ
泣いているだけ

「渡部さん・・・何したの」

と睨んで来た

「何もしてないし・・・」

「何もしてなかったらまりちゃんが
泣くわけないじゃん」

梨音は鼻で笑った

「泣かせといて何その態度・・・
それでもクラスメイトなの・・・」

「笑わせないでよ・・・
今更クラスメイト・・・
今まであんたら私に何して来た・・・」

ガラっとドアが開き先生が入って来た

「おう・・・集まってどうしたんだ・・・」

「先生・・・渡部さんが真理ちゃんを
泣かせて誤らないんです・・・」

「今井どうした・・・」

先生は真理の顔を覗き込み
頭を撫でた

「渡部・・・何があったんだ」

「別に何もないし・・・」

「渡部・・・何もないなら泣かないだろ」

「私を悪者ですか・・・
もう良いや・・・こんなとこ」

私は鞄を持ち立ち上がり歩き始めると
先生に腕をつかまれた

「渡部っ・・・今日は卒業式だぞっ」

「もういいっ・・・今更優しくなんかすんなや」

先生に掴まれた腕を振り払い
教室から出て照彦に電話をして
照彦の元に向かった

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